凸凹ADHD

 

 

ADHDはどんな人と結婚する?
【ADHDと結婚⑦】

 

前回と前々回の記事で、僕はADHDの当事者として、ADHDの僕らが選んではいけない「人物像」について離婚した元妻を想像しながらお話ししてきました。 完璧主義な人。安定だけを求める人。そして、僕らの心を静かに殺していく「察してちゃん」という名のサイレントテロリスト。

その僕自身の痛みを伴う「失敗の記録」を読んで、もしかしたら不安になったかもしれません。

「じゃあ一体、どんな人と一緒になれば幸せになれるんだ?」と。

はじめまして、「凸凹ADHD」のデコさんです。 今日はこの『ADHDと結婚』シリーズの、最後の物語。 そのあまりにも切実な問いに対する、僕なりの「答え」を、僕の今のありのままの物語を通してお話ししようと思います。

先日、僕は今のパートナーにこう尋ねました。 「あなたのトリセツも、教えてくれないかな?」と。パートナーのトリセツの記事はこちら

かつての僕なら、その対話はきっと地獄のような時間になっていたでしょう。 彼女の「本音」に対して、僕は自分を守るための「言い訳」と「反論」を繰り返していたはずです。

しかし、今回は違いました。 彼女は、僕のその問いを、笑うでもなく、責めるでもなく、ただ受け止めてくれました。 そして、僕が、ボイスレコーダーを回しながら、一つずつ、質問をしていく「インタビュー」に、彼女は、楽しそうに付き合ってくれたのです。

その対話を通して、僕は、彼女の素晴らしい「長所」と愛おしい「短所」を改めて知ることができました。 しかし、僕が本当に感動したのはその「内容」ではありません。 心を揺さぶられたのは、その対話の「在り方」そのものでした。

彼女は、僕の「凸凹」を修正すべき「欠陥」として見てはいなかった。 彼女は、僕の「凸凹」についての話を心から楽しんでくれていたのです。彼女はこのNoteの記事も読んでくれていて、フィードバックももらったりしています。

その時、僕は気づきました。 僕らADHD当事者が、心の底から求めているパートナー。 それは、僕らの「欠点」を補ってくれる人ではない。 僕らの、「わがまま」を許してくれるお母さんのような人でもない。

僕らが求めているのはたった一つ。 僕らのことを理解することを楽しんでくれる人なのだと思います。

もしあなたが今誰かと共に人生を歩もうとしているのなら。どうか見極めてください。

その人はあなたの「凸凹」を「問題」として見ていますか?
それとも「物語」として、見ていますか?

僕らに本当に必要なのは、僕らを「普通」にしてくれる人ではありません。 僕らに、本当に必要なのは、僕らのその不完全で凸凹な「物語」ごと愛してくれる人なのです。

ADHDである無いに関わらず、パートナーを理解することはとても難しいことです。僕は自分がADHDと自覚し、そしてそれを学ぶことで自分の性格や特徴の理解が深まりました。自分の性格や特徴をパートナーに説明することも上手になりました。その過程で、パートナーの性格や特徴の理解も深まりました。それを話し合う機会も必然的に増えました。自己理解を深めること。そして、パートナーの理解を深めることが、よきパートナーシップを作る上で非常に大事になってくると思います。

ADHDの人は、普通の人よりもだいぶ得ですよ。なぜなら、ADHDを学ぶことで自分の性格や特徴の理解が深められるのですから。普通の人にはそれができませんから。普通の人が得ることのできない自己理解のための地図を手渡されているようなものなのです。これはとても幸運なことなのです。だからADHDの僕たちは、この幸運を利用してADHDについて学び幸せなパートナーシップに繋げないといけないのです。

次回から、【ADHDとドーパミン】というシリーズを始めたいと思います。

【ADHDと結婚】シリーズの最初の記事はこちら

【ADHDと結婚シリーズ】
①結婚できますか?
②なぜ些細なことから喧嘩になる?
③ADHDだから仕方ないじゃないか
④ありがとう。でも、僕は子供じゃない。
⑤こんな人とは結婚しないで
⑥「察してちゃん」という名のサイレントテロリスト
⑦ADHDはどんな人と結婚する?

デコさんのトリセツが乗っている記事です。

デコさんのパートナーのトリセツが乗っている記事です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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