凸凹ADHD

 

ついに完成。パートナーの「トリセツ」
【ADHD人間関係⑩】

 

はじめまして、「凸凹ADHD」のデコさんです。

今日は僕のパートナーの「トリセツ」がついに完成したことを、ご報告します。 そして、その内容と僕が感じたことをありのままにお話ししようと思います。

以前に彼女に事前に文章を書いてきてもらうという風に話しましたが、昨日一緒に過ごしていたのでインタビュー形式で、口頭で聞くことにしまいた。僕は、ボイスレコーダーを回しながら、彼女に、一つずつ、質問をしていきました。その対話は、30分ほどでした。 聞いている時は、僕も「うんうん、そうだよね」と、これまでに、何度か耳にしたことがあるような内容も多かったですし、どんな風に彼女のトリセツができるのか不安な気持ちもありました。

しかし、その音声を、AIを使って、文字に起こし、改めて、客観的な「文章」として読んだ時。これはすごく作る価値のあるものだなと痛感しました。 彼女のトリセツを読むことで、僕は、改めて彼女の人物像を再認識することができました。 内容としては、過去に聞いたことはあった。 でも、それを深い意味では理解できていなかったなと思い知らされました。彼女のトリセツはこの記事の最後に載せました。

まず相性の良さがあるなと感じた点については、彼女のトリセツには、こう書かれていました。 「心配性で、ネガティブな妄想癖がある」と。 「嫌われているのかもしれない」と、一人で、塞ぎ込んでしまうことがある、と。一方で、僕のトリセツには、こうあります。 「どんなハプニングも、『面白い!』と笑い飛ばせる、根拠のない楽観性がある」と。
僕のこの時に無責任でさえある「なんとかなるさ」というエネルギー。 それは、彼女が、ネガティブな思考の沼に、沈みそうになった時。 彼女を、その場所から、引き上げてあげられる、そんな相性の良さがあるなと感じます。

逆に相性の悪さという点については、彼女のトリセツには、こう書かれていました。 「言葉の『温度』を、大切にしてほしい」と。 「厳しい言葉や、冷たい正論は、私の心を、固く閉ざしてしまう」と。ただ、これは、僕がとても苦手な部分です。 僕は問題が起きると、ついつい論理的な「正しさ」を追求してしまいがちです。 その僕の「正論」という名のナイフが、これまで、彼女の繊細な心を傷つけてきたのかと考えさせられました。

それを避けるために。 以前の記事で学んだ「クッション言葉」だったり言葉を優しくするための「技術」必要なのだと改めて痛感しました。

そしてまた、希望を感じた部分もありました。 彼女のトリセツには、こうありました。 「人に、気を遣いすぎてしまう」 「自分の意見を、なかなか言えない」と。一方、僕の脳は、「正しさ」や「真実」を、何よりも、優先します。 お世辞や建前は苦手です。
先ほどの相性が悪い点にも共通するとことがありますし、最悪の組み合わせに見えるかもしれません。 しかし、すこし違った見方も持っています。僕の不器用なまでの「正直さ」が、彼女に「この人の前では、無理をしなくてもいいんだ」という感覚にさせていると思います。 普段は人に気を使いすぎて自分の意見をなかなか言えない彼女が、「本当の自分で、いられる場所」を作れているかと思います。

パートナーの「トリセツ」を知ることは、完璧な相性の相手を探すためのものではありません。 それは、素晴らしい関係性を作るための一枚の「地図」を手に入れることです。

どこに、美しい花が咲いていて、
どこに、深い谷があるのか。
どこに、頑丈な「橋」を架けるべきで、
どこで、ただ相手の「景色」を、尊重すべきなのか。

その、二人だけの「地図」があれば。
僕らは、もう、道に迷うことはない。

この終わりのない愛おしい旅をこれからも一緒に楽しんでいくことができるのですから。

※過去一番に長かったこのADHD人間関係のシリーズもこれにて終わりにしたいと思います。10話にもなる長い道のりにお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

次のシリーズ【ADHDに伝える】では、ADHDのパートナーの人に向けて、ADHDの当事者である僕がパートナーからどうやって伝えてもらいたいのか生の声をリアルに伝えたいと思います。


【ADHD人間関係シリーズ】
①僕らの「当たり前」は相手の「当たり前」ではない
②「なぜ」ではなく「何」で話そう
③クッション言葉はマジで優秀!
④自分の「トリセツ」をパートナーに渡そう
⑤大切なパートナーの「トリセツ」も作ろう。
⑥パートナーの「本音」を聞くのが怖い
⑦彼女とのトリセツ会議
⑧パートナーにも指摘された「ごめん」
⑨「ありがとう」に心を乗せる方法
⑩ついに完成。パートナーの「トリセツ」

 

【パートナーのトリセツ】

1.「苦手なこと」

身体的な不快感に弱い:
眠気、寒さ、空腹に、人一倍、敏感である。

心配性で、ネガティブな妄想癖がある:
特に、人間関係において、「嫌われているのかもしれない」と、相手の気持ちを、ネガティブに想像してしまい、一人で塞ぎ込んでしまうことがある。

頑固な一面がある:
一度、自分で「こうだ」と決めたこと(例:海外留学、バイク)は、周りの意見を聞かずに、突き進んでしまうことがある。(これは、長所である「粘り強さ」の、裏返しとも言えます)

人に、気を遣いすぎてしまう:
場の空気を壊したくない、という気持ちが強く、人の顔色を、常にうかがってしまう。

自分の意見を、言えずに我慢してしまう:
その結果、面白くなくても笑ったり、共感していないのに同意したりしてしまい、後で、一人で、どっと疲れてしまう。

2.「得意なこと」

基本的な生命力が高い:
よく食べ、よく寝て、よく動く。心身ともに健康的で、エネルギッシュ。

フットワークが軽い:
移動が速く、思い立ったらすぐに行動できる。

基本的にポジティブで、よく笑う:
明るく、その場の雰囲気を和ませることができる。

人を楽しませたい、という気持ちが強い:
常に、周りの人が楽しんでくれているかを気にかけている、根っからのエンターテイナー。

粘り強く、諦めない:
一度決めたことは、最後までやり抜く、強い意志を持っている。

真面目である:
物事に、誠実に取り組むことができる。

感情のコントロールが、比較的得意:
自分の感情を、ある程度、自分で制御することができる。

幸せの感受性が、非常に高い:
「晴れている」「花が咲いている」といった、日常の、ほんの些細な出来事にも、幸せを見つけ出すことができる、豊かな感性を持っている。

優しく、人が好き:
動物や子供が好きで、基本的に、人間という存在を、肯定的に見ている。

3.誤解されがちな行動と、その「本当の理由」

そっけない、壁があるように見える時がある
誤解されがちな行動:
相手に対して、自分から、そっと距離を置いたり、会話を避けてしまったりすることがある。

その、本当の理由:
それは、相手のことが嫌いなのではなく、むしろその逆です。
心の中では、「この人は、私のことが嫌いなのかもしれない」という、ネガティブな妄想が始まってしまっています。そして、その、これ以上傷つくことへの「恐怖」から、自分自身を守るために、彼女は、自分から先に、心のシャッターを下ろしてしまうのです。

いつも元気で、明るく、何でも受け入れてくれるように見える
誤解されがちな行動:
面白くないことでも、つい笑ってしまったり、本当は共感していないのに、「そうだよね」と、同意してしまったりする。

その、本当の理由:
「場の空気を壊したくない」「相手をがっかりさせたくない」という気持ちが、人一倍強いです。
そのため、本当の自分の気持ち(疲れている、興味がない)を、なかなか、表に出すことができず、つい無理をして相手に合わせてしまいます。
そして、その「偽りの自分」と「本当の自分」のギャップに、後で、一人でどっと疲れてしまうのです。

何でもできる、頼りになる、強い人だと思われる
誤解されがちな行動:
本当は、自分のキャパシティを超えていても、「できる」と言ってしまったり、体調が悪くても、「大丈夫」と、平気なフリをしてしまう。

その、本当の理由:
深い優しさの現れ。相手に、「迷惑をかけたくない」「心配をさせたくない」という気持ちが、あまりにも強すぎる。その結果、自分の「弱さ」を、なかなか、見せることができず、一人で、全てを抱え込んでしまうのです。

努力が、なかなか、成果に結びついていないように見える
誤解されがちな行動:
仕事などで、周りからは「もっと、頑張れるはずなのに」「要領が、悪いのではないか」と、思われてしまうことがある。

その、本当の理由:
彼女自身は、誰よりも、真面目に、そして、一生懸命、物事に取り組んでいます。しかし、その、目に見えない「努力」が、必ずしも、周りが期待するような、分かりやすい「成果(数字など)」に、結びつかないことがある。
その理想と現実のギャップに苦しんでいます。

4.「こうしてくれると、すごく助かる」

  1. 言葉の「温度」を、大切にしてほしい
    本当に求めていること:
    言葉の「正しさ」よりも、その「言い方」に、深く、心を動かされます。厳しい言葉や、冷たい正論は、心を、固く閉ざしてしまいます。でも、同じ内容でも、そこに、ほんの少しの「優しさ」や「気遣い」が加わるだけで、私の心は安心して言葉を素直に受け取ることができます。

  2. 「寄り添う」ことへの、正直な気持ち
    本当に求めていること:
    心の奥底では、「寄り添ってほしい」と強く願っています。でも、同時に、「それは、難しいことなのかもしれない」と、半分、諦めてしまっている自分もいます。それは、「個性」や「性格」を、尊重しようと、必死に努力しているからです。無理な要求をするのではなく、その「違い」を理解しようと戦っています。

  3. 「助けて」が言えない私に、気づいてほしい
    本当に求めていること:
    自分の弱さを見せたり、自分から「助けて」と、SOSを発信するのが、非常に苦手です。でも、心の中では、いつも、助けを求めています。だから、「何か、困ってることない?」「大丈夫?」と、その、たった一言の「きっかけ」を与えてくれるだけでいい。そうすれば、私は、安心して頼ることができます。

  4. 「褒め言葉」で、エネルギーを充電してほしい
    本当に求めていること:
    私は、とても「単純」です。厳しい言葉や、批判は、私を、深く傷つけ、心を塞ぎ込ませてしまいます。でも、「すごいね」「ありがとう」という、ポジティブな言葉は、私にとって最高の「エネルギー源」になります。褒められることで、もっと頑張れる。もっと幸せにしたいと思えるのです。

  5. 私を「自然」に、連れ出してほしい
    本当に求めていること:
    私は、旅行や、自然、動物と触れ合うことで、心のエネルギーを、充電するタイプです。もし、私が、少し、疲れているように見えたら。ただ、一緒に自然の中を散歩してください。それだけでまた元気を取り戻すことができます。

  6. 周りの人の「ご機嫌」が、私のお守りになる
    本当に求めていること:
    私は、周りの人の「不機嫌」に非常に敏感です。周りの人がイライラしていると、「私が何か悪いことをしたのだろうか」と、自分を責め、不安になってしまいます。だから、周りの人がご機嫌で笑っていてくれること。それが、私にとって何よりの「安心」であり「心の平和」に繋がるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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