
ADHDの方へ人生の「攻略本」をお渡します。
【無自覚ADHD④】
「なぜ、僕の人生は、こんなにもハードモードなんだろう」
まるで、自分だけが、説明書のない、理不尽なゲームをプレイさせられているような感覚。 他の人が、当たり前にクリアしていくステージで、自分だけが、何度も同じ場所でつまずいてしまう。
はじめまして、「凸凹ADHD」のデコさんです。先日、ADHDを自覚することは人生の攻略本を手に入れたようなものだとお話しました。ADHDであると自覚し、自身の脳の「仕様」を理解することは、「自分は欠陥品だ」という思い込みから解放される ことに繋がります。
例えば、「なぜいつも鍵を失くしてしまうのか?」それは「だらしない」からではなく、脳の「ワーキングメモリ」が小さいだけだと認識できます。長年の自己嫌悪のサイクルが終わり、解放感を得ることができるのです。
今回はADHDの人の短所を長所に変えるための人生の「攻略本」を渡します。これらは過去の僕が書いてきた記事のまとめになりますが、ADHDのあなたに思い当たるふしがあるところから読んでみてください。
1. 「忘れっぽさ」が「許す力」に
ADHDの人の脳は、ネガティブな感情に対しても「忘れやすい」特性があります。この「忘れっぽさ」は、過ぎ去った過去の痛みにいつまでも心を縛られず、常に「今」を新しい気持ちで始められる、最高の「許す力」となるのです。
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2. 「先延ばし癖」が「過集中」に
ADHDの脳は、「面白いかどうか(=ドーパミンが出るか)」で動き、退屈な作業を避けがちです。しかし、「締め切り」などの強烈な「危機感」が生まれると、脳内でノルアドレナリンが放出され、驚異的な集中力「過集中」が発動します。この「先延ばし癖」は、究極の状況で最高のパフォーマンスを発揮する「特殊な脳」の「発動条件」となるのです。
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3. 「衝動性」が「決断力」に
計画を立てて物事を進めるのは苦手でも、予期せぬハプニングや突然のトラブルといった計画が通用しない状況で、ADHDの人は驚くほどの強さを発揮します。これは、悩むよりも先に「今この瞬間の、最適な行動」を瞬時に探し出す脳の仕組みによるものです。この衝動性は、危機を救う「頼りがい」や「決断力」へと変わる才能です。また、「断られることへの不安」よりも「成功した時の報酬」にピントが合うため、多くの人が躊躇する「最初の一声」をいとも簡単にかけられるという「行動力」にも繋がります。
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4. 「落ち着きのなさ(多動性)」が「エンターテイナー」に
ADHDの脳は「刺激のない状態」を嫌い、脳が感じる「退屈」から逃れるために、無意識に自分自身で「刺激」を生み出そうとします。これは、何でもない時間を楽しい時間に変え、その楽しさを分かち合おうとするポジティブな「願い」であり、周囲の人々を惹きつける「エンターテイナー」としての才能となります。また、「常に何かをしていたい衝動」は、ドーパミンを求めてアイドリングを続ける「エンジン」であり、運動などで健全にエネルギーを燃焼させることで、人生をエネルギッシュで刺激的なものにする贈り物です。
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5. 「時間へのルーズさ」が「独創性」に
ADHDの脳は、物事を直線的に捉えるのが苦手で、思考が放射状に広がる特性があります。この特性は、厳格な「時間」という直線的なルールをうまく認識することを困難にしますが、一方で「ありきたりな計画を、全く新しい冒険へと再構築する」ような、自由で創造的な「独創性」 の源泉となります。
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6. 「片付けられない」が「未来志向の好奇心」に
ADHDの脳は、常に「未来」の新しい情報や刺激に興味が向いており、過去の情報を整理する「片付け」のような地味な作業にはエネルギーを供給しにくい特性があります。これは「だらしない」からではなく、常に新しい知識や体験という「未来の出来事」に夢中になっている 何よりの証拠です。
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7. 「三日坊主」が「リーダーシップ」に
ADHDの脳は新しいことを始める時に爆発的なエネルギーを発揮しますが、地道な「作業」フェーズに入るとモチベーションが続かなくなります。しかし、「一人で全てをやり遂げる」のではなく、「仲間との約束」という「外部の力」に頼ることで継続が可能になります。この「巻き込み力」こそが、新しい習慣を先導する「リーダーシップ」へと変わる才能なのです。
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この攻略本は、僕らに教えてくれます。
僕らは、自分の「弱み」と戦う必要はなかったのだと。
僕らが本当にすべきだったのは、パワフルな「能力」の正しい「使い方」を学ぶことだけだったのです。
ADHDについて知ることは、決して、言い訳を見つけることではありません。 それは、これまで、僕らを隔てていた、見えない壁の「正体」を知り、その壁を、乗り越えるための、具体的な「橋」を、架ける方法を、学ぶことなのです。
僕の人生は、この「攻略本」を手に入れた日から、劇的に変わりました。 この、僕自身の人生を変えた「知見」を分かち合うことで、暗闇の中で、一人悩み続けている、多くの人々を救いたい。 その想いこそが、僕が、この「凸凹ADHD」という活動を続けるたった一つの理由です。
あなたの「凸凹」を愛し、その特性を深く理解し、適切な「攻略法」を用いることで、あなたの人生は、必ず素晴らしいものになる。 心からそれを信じています。
無自覚ADHDシリーズ
①なぜ僕の「正しさ」は、いつも彼女を傷つけたのか
②ADHDだと自覚することは人生の「攻略本」を手にすること
③僕自身がどのようにADHDの自覚を持つに至ったか
④ADHDの方へ人生の「攻略本」をお渡します。
⑤「またADHDが出たよ」と笑っていた僕がそれに向き合うまで