凸凹ADHD

 

パートナーの「本音」を聞くのが怖い
【ADHD人間関係⑥】

 

前回の記事で、僕は自分のパートナーに
「あなたのトリセツも教えてもらってもいい?」
と聞こうと決めました。

ただ、昨日の今日なのでまだ聞けていません。
今週末に聞こうと思っています。

しかし、リアルに相手に聞くことをイメージしてみた場合に、 心の中にある「不安」が生まれてきました。

「もし、自分では気づいていない『欠点』を指摘されたらどうしよう」
「彼女を傷つけていたという『事実』を、突きつけられたらどうしよう」
「結局、『僕が悪い』という、結論になってしまったら…」

はじめまして、「凸凹ADHD」のデコさんです。 今日は、ADHDの僕らが、パートナーの「本音」と向き合うことを、なぜ恐れてしまうのか。その、心の奥底にある理由と、その恐怖を、乗り越えるための一つの「約束」についてお話しします。

まず、なぜ僕らの脳は「批判」にこれほどまでに弱いのかです。この謎を解く鍵は、僕らの脳に深く刻み込まれた、過去の「痛み」の記憶にあります。僕らは、これまでの人生で数え切れないほどの「失敗」と「叱責」を経験してきました。 そのたびに、僕らの心には、「自分は、ダメな人間なんだ」という無数の消えない傷が作られてきました。

そして、僕らの脳は、「拒絶されることへの過敏性(RSD)」という、非常に繊細な「警報システム」を搭載しています。 そのため、僕らにとって、パートナーからの「指摘」は、単なる「フィードバック」ではありません。 それは、過去の、全ての「痛みの記憶」を呼び覚まし、「ほら、やっぱり欠陥品じゃないか」と、攻撃されていると感じてしまうことがあるのです。

僕らが相手の本音を聞くのが怖いのはこれ以上傷つきたくないという「防衛本能」なのです。

では、どうすれば、僕らは、この「心の鎧」を、脱ぐことができるのでしょうか。 大切なのは、いきなり本題に入ることではありません。
まず、パートナーと、たった一つの、しかし、非常に重要な「約束」をするのです。 それは、「今日は解決策を探さない」という約束です。

こう伝えてみてください。 「今日は、僕に対する『本音』を、ただ聞かせてほしい。 絶対に反論しない。言い訳もしない。解決策も探さない。 僕のたった一つの仕事は、これまで一人で抱えてきた気持ちを、ただ黙って、受け止めること。それだけ。 だから、安心して、あなたの『トリセツ』を、教えて?」

このたった一つの「約束」が、僕らとパートナーを同時に助けてくれます。

僕らを守る
「解決しなければ」という、僕らの脳の「探偵モード」のスイッチを、あらかじめ、オフにしておくことができます。僕らは、ただ、大切な人の「物語」を聞く、聞き役に徹すればいい。

パートナーを安心させる
「何を言っても、また、言い訳されるだけだ」という、彼女の、長年の「絶望」を取り除くことができます。彼女は、初めて、安心して、自分の、本当の気持ちを語ることができるのです。

僕らが、パートナーの「トリセツ」を読む時に、本当に必要なのは、「正しさ」や「解決策」ではありません。 それは、「そう感じていたんだね。教えてくれて、ありがとう」という、ただ、それだけの「敬意」と「感謝」です。

安全な空間の中で、僕らはお互いの本当の姿を知ることができる。 お互いの「弱さ」を認め合えることができる。そんなことが二人のトリセツを読み合う事で生まれるはずです。そして、それはかけがえのないパートナーシップに繋がっていくことでしょう。


PS:明日から連休ですし、パートナーのトリセツ作りたいと思います。
そうは書いたものの、ただただ聞けるかな。反論しない。言い訳もしない。解決策も探さない。あらかじめ探偵モードのスイッチオフ!

ただただ聞き役に徹するだけ。簡単なことです。

がんばります!

【ADHD人間関係シリーズ】
①僕らの「当たり前」は相手の「当たり前」ではない
②「なぜ」ではなく「何」で話そう
③クッション言葉はマジで優秀!
④自分の「トリセツ」をパートナーに渡そう
⑤大切なパートナーの「トリセツ」も作ろう。
⑥パートナーの「本音」を聞くのが怖い
⑦彼女とのトリセツ会議
⑧パートナーにも指摘された「ごめん」
⑨「ありがとう」に心を乗せる方法
⑩ついに完成。パートナーの「トリセツ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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