
クッション言葉はマジで優秀!
【ADHD人間関係③】
はじめまして、「凸凹ADHD」のデコさんです。前回の記事で、ADHDの人が良くやりがちなコミュニケーションのすれ違いを防ぐために、会話の焦点を「なぜ(理由)」から「何を(解決策)」に切り替える、という方法をお伝えしました。
<Before>
相手:「ゴミ出し、忘れてるよ」
あなた:「ごめん!昨日の夜、急な仕事が入っちゃって、それで頭がいっぱいで…」
<After>
相手:「ゴミ出し、忘れてるよ」
あなた:「ごめん!今すぐ捨てて来るね。」
理由を言うのをやめて、この「何を(解決策)を先に言う」ルールは、相手に安心感を与え、僕ら自身が消耗するのを防ぐ、非常に効果的な方法だと思います。 しかし、これを実践してみると、新たな問題が生まれることに気づきます。
相手:「ゴミ出し、忘れてるよ」
あなた:「ごめん!今すぐ捨てて来るね。」
相手:「あれ?…なんか、怒ってる?」
僕らはただ、効率的に解決策を提示しただけ。 それなのに、相手には「冷たい」「素っ気ない」「反省していない」と受け取られてしまうことがあります。
これは、僕らの言葉に、相手の気持ちを受け止めるための「クッション」が足りていないからかもしれません。
なぜ僕らの「解決策」は、冷たく聞こえるのか。僕らの脳は、問題解決に集中すると、他の情報をシャットアウトしがちです。そのため、言葉が非常に単刀直入で、事務的になってしまうことがあります。
しかし、相手が何かを指摘する時、その言葉の裏には、単なる事実の伝達だけでなく、「困っている」「がっかりした」「悲しい」といった感情が隠れています。 相手は、解決策と同時に、その感情にも寄り添ってほしいのです。これは僕がすごく苦手なやつです。
僕らが次に学ぶべきは、相手のその小さな感情を、まず最初に受け止めるための「クッション言葉」です。
「(何を)解決策」で話すという基本ルールは変えません。 その直前に、相手の気持ちを代弁するワンフレーズを挟むだけです。
<クッション言葉の具体例>
「そっか、困らせちゃったね。ごめん!」
「あ、がっかりさせちゃったかな。ごめんね」
「うわ、本当だ、助かったよ!ありがとう」
「そっか、手間をかけさせちゃって申し訳ない!」
これらの言葉には、相手の感情を肯定し、「あなたの気持ちを理解していますよ」というメッセージを伝える効果があります。
<Before>
相手:「頼んでおいた牛乳、買い忘れてるよ」
あなた:「ごめん!今すぐ買ってくる!」
(→相手は「私の手間が増えたのに…」と感じるかも)
<After>
相手:「頼んでおいた牛乳、買い忘れてるよ」
あなた:「うわ、本当だ!手間とらせちゃったね、ごめん! 今すぐ買ってくる!」
(→相手は「気持ちをわかってくれた」と感じ、安心する)
<職場の例>
上司:「この資料、数字が間違ってるよ」
あなた:「すみません!すぐに修正します!」
(→少し事務的な印象)
上司:「この資料、数字が間違ってるよ」
あなた:「本当ですね!ご指摘いただいて助かりました! すぐに修正します!」
(→感謝が伝わり、ポジティブな印象に)
この「クッション言葉」+「何を(解決策)」という組み合わせは、僕らが人間関係で使える、便利なコミュニケーション術の一つです。
この順番で話すだけで、相手は「自分の気持ちを理解してくれた上で、問題も解決してくれる、信頼できる人だ」と感じてくれます。
そして僕らは、「言い訳がましい」とか「冷たい」といった不本意な誤解から、自分自身を守ることができるのです。
心にもないお世辞を言うことではありません。 お互いの脳の仕組みの違いを理解し、そのギャップを埋めるための、優しくて知的な「翻訳」なのです。このクッション言葉は本当に優秀なので使いこなせるようになるしかないですね。
離婚した元妻さんに離婚の際に「寄り添ってくれなかった」と言われた言葉が心に残っています。僕はその言葉に何をどうしてほしかったのかよく分かりませんでした。こんなところに寄り添う方法があったのですね^^
なかなか難しいですが、いつか人に寄り添えるようになりたいと思うのです。
※後々の記事ですが、⑧パートナーにも指摘された「ごめん」の記事にてこのクッション言葉が足りていないことが指摘されました。
【ADHD人間関係シリーズ】
①僕らの「当たり前」は相手の「当たり前」ではない
②「なぜ」ではなく「何」で話そう
③クッション言葉はマジで優秀!
④自分の「トリセツ」をパートナーに渡そう
⑤大切なパートナーの「トリセツ」も作ろう。
⑥パートナーの「本音」を聞くのが怖い
⑦彼女とのトリセツ会議
⑧パートナーにも指摘された「ごめん」
⑨「ありがとう」に心を乗せる方法
⑩ついに完成。パートナーの「トリセツ」