凸凹ADHD

 

「カサンドラ症候群」からあなたを救いたい
【ADHDパートナー⑦】

「私の苦しみは、誰にも、分かってもらえない」

ADHDの彼に病院に行くことを勧めるとこう言われる。
「おれのADHDは病気というほどのものでもないから」
「行かなくても大丈夫よ」

ADHDの彼の不可解な行動の理由を、周りに相談してもこう言われる。
「でも、彼は優しそうな人じゃない」
「あなたが気にしすぎなんじゃない?」

彼の「脳の仕様」を必死に理解しようと、努力すればするほどあなたの心はすり減っていく。 そして、気づけばあなたはこの世界でたった一人出口のない暗いトンネルの中にいる。

その声なき叫び。 その誰にも信じてもらえない孤独な痛み。 それを、「カサンドラ症候群」と呼びます。

その名前は、ギリシャ神話の、悲劇の預言者「カサンドラ」に、由来します。 彼女は、未来を正確に予言する能力を持ちながらも、神の呪いによって、その言葉を誰にも信じてもらえなかった。 それと同じように、パートナーとの関係で起きている問題の「真実」を、周りの誰にも理解してもらえず、一人孤独に苦しむ。 それがカサンドラ症候群の本質です。

はじめまして、「凸凹ADHD」のデコさんです。 今日は、あなたの心を蝕む「カサンドラ症候群」の正体と、その暗く長いトンネルから、あなた自身を救い出すための具体的な「光」についてお話しします。

なぜあなたの「理解」は、あなたを救わないのか

これまでの記事で、僕らは、ADHDの脳が持つ、様々な「仕様」について、探求してきました。 しかし、時にその「理解」は、あなたをさらに深い絶望へと、突き落とすことがあります。

「彼の脳が、そういう仕様なら、もう何も変わらないじゃないか」
「彼が自分自身のADHDを、認めようとしなければ私の努力に意味なんてない」
「結局、私がもっと我慢するしかないんだ」

あなたは、彼がADHDであることを受け入れました。 その特性を、学び、理解しようと、最大限の努力をしました。 しかし、一つの決定的な、そして、最も重要なピースが欠けていました。それは、彼自身が、自分の特性と向き合い、それに取り組むという「責任」です。

ADHDであることは、彼のせいではありません。 しかし、その特性が、あなたを傷つけているという事実に対して、責任を取るかどうかは彼自身の「選択」です。彼がその「責任」から、目をそらし続ける限り、あなたがどんなに努力をしても、二人の物語は前に進むことはありません。

しかし、あなたが今すべきなのは、彼のことをこれ以上理解しようと努力することではありません。いますべきことは、「自分の『心のコップ』を、決して、空にしない」という、あなた自身との固い約束です。

想像してみてください。 あなたの心には、愛情や、優しさ、忍耐力といった、美しい水で満たされた一つのコップがあります。 あなたは、これまで、そのコップの水を、注ぎ続けてきました。

しかし、そのコップに、新しい水を注いでくれる人はどこにもいなかった。 そして、今あなたのコップはもう空っぽ寸前なのです。

水がなければ、植物が枯れてしまうように、心が空っぽのままでは、僕らは、誰かを愛し続けることはできません。 だから、今日からあなたには、あなた自身のコップに、新しい水を注ぎ始めるのです。あなた自身の「世界」を、一つずつ取り戻していくことです。

あなた自身の「心のコップ」を、美しい水で、満たしていくこと。 それは、決して、わがままな行為ではありません。あなたが、心からの笑顔を取り戻し、生き生きと輝いている姿。 その溢れ出すほどの、ポジティブなエネルギーこそが、二人の関係を再生させるための「希望」なのです。

次からの記事は、解決できていない課題に取り組みたいと思います。

ADHDだけれどまだそれを自覚していない人に、ADHDについて学ぶこと、ADHDについて対策をすることが人生にとってどれだけプラスに働くのかを伝えたいです。」そして、「パートナーの方がそれをどうやって伝えられるのか」について記事にしていきたいと思います。

そんな、無自覚ADHDシリーズの第一話はこちらです。

過去の自分がそうでした。離婚するかしないかの時に、僕は自分自身がADHDと自覚していませんでした。自分が悪いとはこれっぽっちも思っていなかったです。それにも関わらず、元奥さんの悪いところばかりが気になっていました。それを直そうと直そうとして空回りしていました。相手がメンタルの病気なんだとさえ思っていました。彼女をそうさせていたのには自分なのに。

あの頃の自分にこのNoteを渡したいです。これを読むと人生が変わるかもよって。

ADHDパートナーの方へ

①なぜ彼は、私の話を「聞いていない」のか。
②なぜ彼の「ごめん」は火に油を注ぐのか
③なぜ彼は、趣味に没頭すると私のことを忘れてしまうのか
④なぜ彼はあなたの「何気ない一言」でキレるのか。
⑤彼との関係に絶望しているあなたへ
⑥彼を「変える」のを諦めた日に全てが始まった
⑦「カサンドラ症候群」からあなたを救いたい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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