
その「衝動性」が、最高の「決断力」になる日
【ADHD離婚からの恋愛⑤】
「また、よく考えもせずに、動いてしまった…」 「どうして、もう少し慎重になれないんだろう…」
後先を考えない、自分の「衝動性」。 そのせいで失敗を繰り返し、「自分は軽率な人間だ」と、自己嫌悪に陥ってしまった経験はありませんか?
しかし、もし、その「衝動性」が、あなたの人生を、そしてあなたの大切な人との未来を、危機から救う「力」だとしたら、どうでしょう?
はじめまして、「凸凹ADHD」のデコです。 今日のテーマは、あなたの「衝動性」という名の弱点を、パートナーにとって、最も頼りがいのある「決断力」という名の強みへと、見事に変えてしまう方法についてです。
危機的状況でこそ、「衝動性」は武器になる
ADHDを持つ僕らは、計画を立て、その通りに物事を進めるのが、少し苦手です。 しかし、その代わり、予期せぬハプニングや、突然のトラブルといった、計画が通用しない状況において、驚くほどの強さを発揮します。
なぜなら、僕らの脳は、「どうしよう…」と過去や未来の不安に囚われるよりも先に、「まず、どう動くか!」と、今この瞬間の、最適な行動を、瞬時に探し出すようにできているからです。悩むよりも先に、体が動く。それが、僕らの脳の仕組みなのです。
僕が、パニックを「頼りがい」に変えた日
それは、今のパートナーと、電車で遠出をした時のことでした。 隣で彼女がうとうとと寝ていた、その穏やかな時間。しかし、ある駅から乗ってきた一人の女性が、大きな独り言を叫び始め、その声で彼女は目を覚ましました。
気まずい空気に、彼女は少し慌ててしまったのかもしれません。次の駅で慌てて電車を乗り換えた後、彼女は、自分のスマホを座席に置き忘れてきたことに気づいたのです。
「どうしよう…」 駅員さんに確認してもらっても、スマホは見つからない。
「会社のスマホなんだけど…」
「誰かに取られたのかな…」
「さっきの変なおばさんのせいだ…」
途方に暮れ、パニックになりかける彼女。
楽しい旅行の思い出が、一瞬で不安に塗りつぶされそうになっていました。
しかし、その時の僕は、不思議なほど冷静でした。 僕の脳は、落ち込むよりも先に、フル回転を始めていました。
「電話を掛けてみよう、誰か電話にでないかな?…」
「大丈夫。まず、僕のスマホからiCloudにログインしてみよう。位置情報が分かるかもしれない」
「パスワードが分からないなら、パスワードを再発行しよう。」
「パスワードが送られるメールアドレス何かわかる?」
僕はとても冷静に次々と具体的な解決策を提案していました。
そして、iCloudでスマホの位置情報を探すと、位置情報は移動しておりなんと3駅先の交番に向かっていることが分かったのです。 すかさずその交番に連絡を取った後、僕らはその交番に向かい、無事に、彼女のスマホを取り戻すことができました。
電車の中での突然のハプニングという「失敗」は、僕の冷静な対応によって、「二人で困難を乗り越えた、忘れられない思い出」へと、変わったのです。
「副作用」をセットで伝える、誠実な伝え方
その日の夜。彼女が、僕にこう言ってくれました。 「今日のデコくん、すごく頼りになったな。私、パニックになってたのに、デコくんの冷静な判断はすごかったね」と。
僕は、こう答えました。
「ありがとう。僕、昔から、悩むより先に、まず体が動いちゃうみたいなんだ。それが、僕の良いところかもしれないな」
そして、僕はこう付け加えました。
「でも、そのせいで、よく考えずに間違った方向にいっちゃうことも多いんだけどね。だから、僕が衝動的に何か合わないことをしようとしているなって思ったときはすぐに注意してもらって大丈夫だからね」
あなたの「衝動性」は決して欠点ではありません。 それは、予期せぬハプニングという「逆境」を楽しい「冒険」へと変えることができる能力でもあるのです。
その才能を、まずあなた自身が信じてあげてください。そして、その強みと、その「弱み」を、正直に、そしてユーモアを持って、パートナーに伝える。 その誠実さこそが、あなたを、誰よりも信頼できる、頼りがいのあるパートナーへと、変えてくれるのだと思います。
ADHD離婚からの恋愛シリーズ
①僕が「過去」と向き合うまで、次の恋は始まらなかった
②なぜ僕らはマッチングアプリでこそ輝けるのか
③初デートで「お洒落なレストラン」を予約するな
④僕が「弱み」より「強み」にフォーカスする理由
⑤その「衝動性」が、最高の「決断力」になる日
⑥僕の「忘れっぽさ」が、二人の関係を救う理由