凸凹ADHD

 

なぜ僕らはマッチングアプリでこそ輝けるのか
【ADHD離婚からの恋愛②】

 

「たくさんの人と、当たり障りのないメッセージを、延々と続けるのが苦痛だ…」 「初対面の人と会うのは、エネルギーを使うから、すごく疲れる…」

多くの人が、マッチングアプリに対して、そんな「面倒くささ」や「疲れ」を感じると言います。 しかし、もし、その「面倒くささ」こそが、ADHDの僕らにとって、「刺激的で楽しい場所」だとしたら、どうでしょう?

はじめまして、「凸凹ADHD」のデコです。 今日のテーマは、多くの人が苦手意識を持つ「マッチングアプリ」という場で、なぜ僕らADHDの人が、最強のプレイヤーになり得るのか、その意外な理由についてです。

前の記事でお話しした通り、僕は離婚後、マッチングアプリでたくさんの女性と会いました。 しかし、僕がその活動を2年近くも続けられたのは、決して、僕の意志が強かったからではありません。

むしろ逆です。 僕のADHDの脳が持つ、「新規追求性」と「衝動性」が、その活動を、めんどうで煩わしい「恋活」から、「ゲーム」感覚で楽しめる活動へと変えてくれていたのです。

  1. スワイプするたびに、新しいプロフィールが現れる。

  2. 「いいね!」が返ってくると、ドーパミンが出る。

  3. メッセージのやり取りで、相手の知らない情報を引き出す。

  4. そして、週末には、全く知らない誰かと出会う、というイベントが待っている。

多くの人が「面倒だ」と感じる、このプロセスそのものが、僕の脳にとっては、次から次へと新しい刺激が供給されるドーパミンの宝庫だったのです。これはADHDに人には非常に依存性があるものでもあります。

なぜ、ADHDの僕らは「初対面」に強いのか

「初対面の相手と、何を話せばいいか分からない」 これも、多くの人が抱える悩みです。

しかし、これもまた、僕らにとっては、むしろ「得意分野」です。 ADHDの脳は、結論の見えている、予測可能な会話を、退屈だと感じます。 その代わり、相手がどんな人間で、どんなことに興味があって、どんな価値観を持っているのか、その未知の情報を、質問を通して探っていく対話が、大好きです。

また「多動性」は、会話の場では、話題の豊富さになります。 「過集中」は、目の前の相手への、強烈な集中力になります。 「この人、私の話、すごく楽しそうに聞いてくれるな」 相手にそう感じさせることができたなら、もう半分成功したようなものです。

ただし、この「武器」には、注意すべき「副作用」があります。

このように、僕らの特性は、恋の始まりにおいては、強力な武器になります。 しかし、この話には、非常に重要な続きがあります。

新しい人との出会いが、最高の「刺激」となり、ドーパミンを放出してくれるということは、裏を返せば、僕らが「恋愛そのもの」に、そして「相手という存在」に、依存しやすくなるという、大きなリスクをはらんでいるのです。ADHDの人はそうでない人よりもドーパミンがでることに対しての依存度が高いです。

相手との関係が安定期に入り、最初の頃のような「新しい刺激」が得られなくなると、僕らの脳は、また、次の新しい刺激を求め始めてしまう。 これが、ADHDの人が「別れては、次の人を探す」という、短期的な恋愛のループに陥りやすい、根本的な原因の一つです。

マッチングアプリで新しい人を見つける能力に長けている反面、僕らは、一つの関係をじっくりと育てる、という、地道な努力を怠ってしまう危険があるのです。

なので、忘れないでください。 恋の始まりで発揮されるその圧倒的な瞬発力は、あくまで、スタートダッシュのためのブースターです。 本当のゴールは、その先にある、穏やかで、しかし、深い信頼で結ばれたパートナーシップを築くこと。

その強力な武器を、ただ、次から次へと相手を乗り換えるためだけではなく、たった一人の、最高のパートナーとの関係を、深く、そして、長く育むために使うこと。

その「使い方の選択」こそが、僕らADHD当事者に、本当に問われていることなのかもしれません。

ADHD離婚からの恋愛シリーズ
①僕が「過去」と向き合うまで、次の恋は始まらなかった
②なぜ僕らはマッチングアプリでこそ輝けるのか
③初デートで「お洒落なレストラン」を予約するな
④僕が「弱み」より「強み」にフォーカスする理由
⑤その「衝動性」が、最高の「決断力」になる日
⑥僕の「忘れっぽさ」が、二人の関係を救う理由

その他のおすすめ記事

ついに完成。パートナーの「トリセツ」 【ADHD人間関係⑩】 はじめまして、「凸凹ADHD」のデコさんです‥ 続きを読む
「あ、ありがとう!」 パートナーが、僕のために、何かをしてくれた時。 僕らの心の中には、間違いなく、感謝の気‥ 続きを読む
なぜ彼は、私の話を「聞いていない」のか。 【ADHDパートナー①】 「それでね、今日、会社でこんなことがあ‥ 続きを読む