凸凹ADHD

 

ドーパミン中毒と隠れた原因
【ADHDとドーパミン⑦】

 

「デトックスしようと決めたのに、またスマホを見てしまった…」
「お菓子を家に置かないようにしたのに、コンビニで買っちゃった…」

はじめまして、「凸凹ADHD」のデコさんです。前回の記事「ドーパミンデトックス」では、過剰な刺激を物理的・時間的に遠ざけたり、衝動を客観視したりする方法についてお話ししました。

でも、そういった「対策」を試みても、なぜかうまくいかない、やめたいのにやめられない…。そんなループに陥ってしまうことはありませんか?

なぜ僕らは「中毒」のループにハマるのか?
「それは自分の意志が弱いからだ…」 そう自分を責めていませんか?

でも、ドーパミン中毒は、単なる意志力の問題ではありません。もっと根深い原因が隠れていることが多いです。意志力で無理やりフタをしようとしても、根本の原因が解決していなければ、いずれまた同じ行動を繰り返してしまいます。

「やめられない行動」の裏には、こんな原因が隠れていませんか?

今の自分や人生への不満からの「逃避」
仕事がうまくいかない、人間関係がギクシャクしている、理想の自分とかけ離れている…。そんな現実の辛さやギャップから目を逸らすために、手軽な快楽(ポルノ、お酒、ゲーム、ネットショッピングなど)に逃げ込んでいませんか?依存行動は、辛い現実を一時的に忘れさせてくれる「麻酔」のような役割を果たしてしまうことがあります。僕がお酒にのめり込んでしまったのも、当時のパートナーとの関係が悪化していたことが一番の大きな原因だったのは間違いないです。

生活の土台の崩壊(睡眠・栄養・運動不足)
これは耳が痛い話かもしれませんが…睡眠不足、偏った食事、運動不足。 この3つの土台が崩れていると、脳も体も正常に機能しません。特にADHDの僕らは、生活リズムが乱れがちですよね。土台がグラついていると、理性的な判断力や衝動を抑える力(まさに前頭前野の働き)が低下します。その結果、「やるべきこと」ができずに自己嫌悪に陥り、さらに手軽な快楽に逃げてしまう…という悪循環にハマりやすくなります。
やっぱり、この3つが基本ですよね。

「暇」「退屈」「孤独」という隙
忙しく活動している間は良くても、ふと一人になった時、何もすることがない時。「暇だな」「退屈だな」「寂しいな」と感じると、途端に強い刺激が欲しくなりませんか?特にADHDの特性である「退屈への不耐性」も相まって、この「心の隙」を埋めるために、つい依存的な行動に走ってしまうことがあります。僕の場合は、できるだけ質の高い良いドーパミンの出る活動を増やして、「暇」「退屈」「孤独」にできるだけならないようにと、心がけています。 

エネルギーの「持て余し」
意外かもしれませんが、生活の土台が整って元気が出てきた時にも罠があります。有り余るエネルギーを、建設的な活動(創造的な趣味、新しい挑戦など)ではなく、手軽な快楽(過度な飲食、衝動買い、ゴシップなど)で発散してしまうパターンです。これでは、せっかく整った生活リズムがまた乱れてしまいます。

これらの根本原因に気づかないまま、ただ「やめよう!」と意志力だけで頑張っても、なかなかループからは抜け出せません。まずは、「自分はなぜ、今この行動に逃げているんだろう?」と問いかけてみること。自分の心の奥にある「不満」や「退屈」や「疲れ」に気づいてあげることが、本当の回復への第一歩になるのかもしれません。

本質的に、自分の人生を良くできるのは自分しかいません。会社が悪いだったり、周りの人間が悪いだったり、いろいろと環境のせいにしてしまうことが多いとは思いますが、周りに期待しても周りはそんなにあなたを幸せにはしてくれません。まずは、自分自信が自分の最高の理解者となることです。そして、自分のために自分の生活を整え、自分のために自分に良い習慣を持たせ、自分のために積極的に社会と関わっていく。それがあなたを幸せにします。あなたを導けるのはあなたです。すべてはあなたの選択です。

最後まで読んでいただきにありがとうございます。

【ADHDとドーパミン】シリーズの最初の記事はこちら

【ADHDとドーパミン】シリーズはこちら
①ADHDの脳の「支配者」
②短期的な快楽に飲み込まれる
③運動という名の「脳のお薬」
④「社会的ドーパミン」を得よう!
⑤ドーパミンと休息
⑥ドーパミンデトックス
⑦ドーパミン中毒と隠れた原因
⑧最終的なドーパミンとの付き合い方

【ADHD離婚からの再生】シリーズ
※過去のシリーズですがドーパミンに深く関係しています。
①ADHDの禁酒と禁煙
②禁酒後の新しい世界
③「動」と「静」で脳を整える
④運動は「最高の処方箋」
⑤習慣化できますか?
⑥「失敗だらけの過去」の意味

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