凸凹ADHD

 

 

最強のシステムが「飽き」に負けるとき。僕らの最終戦略
【ADHD目標と計画⑧】

 

今までの記事の中で、完璧な計画を捨て、「タスクメニュー」を作り、「相棒」を見つけ、「NotebookLM」で自分を分析し、そして「なりたい自分」という目的地を設定した。 僕らは、自分だけの最強のシステムをついに手に入れました。

最初は楽しかったはずです。 できなかったことができるようになる。相棒と語り合う。自分の成長がデータで見える。 しかし、数ヶ月が経った頃、僕らの脳に、あの宿敵が忍び寄ってきます。

「なんか、この毎日、飽きてきたな…」

ADHDの脳にとって、最大の敵は「退屈」です。どんなに素晴らしく、効果的なシステムであっても、「慣れ」てしまえば、それはただの退屈なルーティンに変わってしまう。 そして、僕らはすべてを放り出して、またゼロに戻ろうとするのです。

「せっかく作り上げたのに、続けられないなんて、僕はやっぱりダメなんだ…」 いいえ、違います。 それは、あなたがダメなのではなく、システムに「アップデート」が必要だというサインなのです。

今日は、僕らが作り上げたこのシステムを、一生モノのパートナーにし続けるための、最後の仕上げについてお話しします。

僕らが作り上げたこの仕組みは、一度作ったら終わりではありません。それは、定期的に新しい遊び方を加えて育てていく「育成ゲーム」のようなものです。

月に一度の「AI分析官との作戦会議」の時間を、「システムアップデート会議」と名付け、次の1ヶ月をもっと面白くするための「新しいイベント」を仕込んでいきましょう。

例えば、いつものタスクメニューに加えて、期間限定の「特別ミッション」を追加します。これは、退屈な毎日に「新しい刺激」と「ゲーム性」を与え、脳を再びワクワクさせるための仕掛けです。

「特別ミッション」(1週間単位の小さなミッション)
「未来の自分」に関連する本を1冊読んでみる
いつもと違う場所(カフェなど)で作業してみる
新しい「スターターメニュー」を3つ開発する

「月間チャレンジ」(1ヶ月単位の集中ミッション)
Note記事の毎日投稿チャレンジ
高エネルギーの時間を、すべて「攻めのメニュー」に投資するチャレンジ
1ヶ月で、新しいスキルに関する本を3冊読破するチャレンジ

相棒と一緒に「来月のチャレンジ、どうする?」と話し合うだけで、退屈なはずのシステムが、協力プレイのゲームに変わります。

そして、ミッションをクリアしたり、NotebookLMの分析で自分の成長が確認できたりしたら、必ず「自分へのご褒美」を用意しましょう。 「システム開発のタスク完了率が先月より20%上がったから、欲しかったガジェットを買う!」「月間チャレンジを達成したから、一日中罪悪感なくゲームをする日にする!」といった具合です。

この「チャレンジとご褒美」の仕組みが、遠い目的地までの長い道のりを歩き続けるための、最も強力なガソリンになります。

僕らが目指しているのは、完璧で、寸分の狂いもないシステムを維持することではありません。 自分の「飽き」という特性を理解し、それを逆手にとって、自分自身を面白がらせ、育て続けることです。

あなたのシステムは、あなたと共に成長します。 飽きたら、新しいルールを加えてみてください。 停滞したら、新しいご褒美を設定してみてください。

この試行錯誤のプロセス自体が、僕らの人生を豊かにする、最高の冒険なのですから。

 

ADHD目標と計画シリーズ

①なぜ僕らの「壮大な目標」は気付けば消えてしまっているのか
②退屈な作業を魅力的な「プロジェクト」に変える方法
③ADHDの「完璧主義」は行動を止めてしまう
④完璧な計画はゴミ箱に捨ててみた
⑤でも、一人では難しい。じゃあ、相棒を見つけよう。
⑥あなたの「行動記録」は宝の山だよ
⑦タスク管理のその先、「なりたい自分」に近づく方法
⑧最強のシステムが「飽き」に負けるとき。僕らの最終戦略
⑨僕らの取り組みは、まだ始まったばかり

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