凸凹ADHD

 

タスク管理のその先、「なりたい自分」に近づく方法
【ADHD目標と計画⑦】

 

今までの記事で、完璧な計画を捨て、「タスクメニュー」で日々の行動を管理し、「相棒」との対話でモチベーションを維持し、「NotebookLM」で自分のパターンを分析する。 僕らは、ADHDという自分の特性を理解し、それを乗りこなすための強力なシステムを手に入れました。

日々の「できたこと」が増えていく。これは、間違いなく大きな進歩です。 しかし、ふと、こんな疑問が頭をよぎることはありませんか?

「僕は、毎日タスクをこなしている。でも、一体どこへ向かっているんだろう?」 「この先に、自分が本当に『なりたい自分』はいるのだろうか?」

日々のタスク管理に習熟することは素晴らしいことです。しかし、目指すべき「目的地」がなければ、その日々の努力がどこに向かっているのか分からなくなってしまいます。

今日は、ADHDの僕たちのために作り上げたこのシステムを、本当に望む未来へと進めるための「明確な指針」を手に入れる方法についてお話しします。これは、相棒ができた際の一番最初のキックオフミーティングとして行うのに最適です。

アプローチ①:「未来の自分」へのインタビュー
僕らは「目標を立てろ」と言われると、つい完璧で壮大な計画を立ててしまい、その重さに潰されてしまいます。だから、アプローチを少し変えてみましょう。 静かな時間を見つけて、想像してみてください。

「3年後の、最高に幸せな自分」にインタビューするのです。
「こんにちは。3年後の僕。今、どんな毎日を送っていますか?」
「どんな仕事に、やりがいや楽しさを感じていますか?」
「誰と、どんな時間を過ごしている時が一番幸せですか?」
「3年前の僕に、何か一つだけアドバイスをくれるとしたら、何を伝えますか?」

この質問に、正解はありません。頭に浮かんだ断片的なイメージや言葉を、ただノートに書き出してみてください。「専門家として、多くの人の相談に乗っている」「自然に囲まれて、落ち着いて仕事をしている」「気の合う仲間と、笑いながら新しい企画を考えている」…

これは、あなたを縛る「計画」ではありません。あなたの心をワクワクさせる、未来の「目的地」のヒントです。

アプローチ②:「目的地」から逆算して、「攻めのメニュー」を更新する
「未来の自分」の姿が少しでも見えたら、それを現在の「タスクメニュー」に反映させます。 特に、自分のエネルギーが最も高い時間帯に行う「攻めのメニュー」こそ、この未来に直結するタスクで満たすべきです。

未来の自分が「専門家として活躍している」なら…
攻めのメニュー:「新しいセミナーの企画を30分考える」「専門書を1章読む」

未来の自分が「クリエイターとして作品を作っている」なら…
攻めのメニュー:「システム開発の新しい技術を1時間学ぶ」「自分の作品のポートフォリオを整理する」

日々の「やらなければいけないこと」をこなすのは、低?普通のエネルギーの時で十分です。あなたの最も貴重な「高エネルギー」の時間は、未来の自分への投資に使いましょう。 この意識を持つだけで、日々のタスクが「作業」から「未来を創るための冒険」に変わります。

アプローチ③:相棒とAIを、自分の「指針」にする
この「目的地」を、自分一人で抱え込まないことが重要です。

相棒との対話で
2週間に一度の対話の最初に、お互いの「目的地」を再確認する時間を作りましょう。「今週の行動は、未来の自分に繋がっていたかな?」と問いかけるだけで、日々の行動の質が大きく変わります。

NotebookLMとの作戦会議で
月に一度のAI分析の際に、こんな質問を投げかけてみてください。「この1ヶ月の行動ログの中で、『未来の自分』に繋がる行動は、全体の何パーセントでしたか?」 客観的なデータが、あなたの現在地と目的地とのズレを正確に教えてくれます。

僕らが作り上げてきたこのシステムは、単にADHDの困難を乗り越えるためのものではありません。 自分の特性を深く理解し、自分だけの指針を使って、本当に望む未来へと進むための、最高の仕組みなのです。

あなたは、どこへ向かいたいですか? その目的地が見えた時、日々の小さな一歩は、未来を変えるための、力強く、そして希望に満ちた一歩となるはずです。

 

ADHD目標と計画シリーズ

①なぜ僕らの「壮大な目標」は気付けば消えてしまっているのか
②退屈な作業を魅力的な「プロジェクト」に変える方法
③ADHDの「完璧主義」は行動を止めてしまう
④完璧な計画はゴミ箱に捨ててみた
⑤でも、一人では難しい。じゃあ、相棒を見つけよう。
⑥あなたの「行動記録」は宝の山だよ
⑦タスク管理のその先、「なりたい自分」に近づく方法
⑧最強のシステムが「飽き」に負けるとき。僕らの最終戦略
⑨僕らの取り組みは、まだ始まったばかり

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