凸凹ADHD

過集中

 

 

ADHDが「過集中」を発動させる方法【過集中①】

「やらなきゃいけないことがあるのに、どうしてもやる気がでない…」

はじめまして、「凸凹ADHD」のデコさんです。
もしあなたが、かつての僕のように「やる気」という曖昧なものに振り回されて自己嫌悪に陥っているのなら、まずこれを伝えたい。

大丈夫。僕らは「やる気」に頼る必要はないんです。

僕らの脳には、気まぐれで、時に暴走するけれど、一度火がつけば誰にも真似できないほどの推進力を生み出すエンジン…

「過集中」が搭載されています。

問題は、その点火スイッチがどこにあるか、誰も教えてくれないこと。
今回は、僕が人生の成功と失敗の中で発見した、この最強の武器を発動させるための、たった一つのシンプルな原則についてお話しします。

それは「『それしかできない環境』を、意図的に創り出すこと」です。

僕が生まれて初めて、この「環境」の恐ろしいほどの力を体験したのは、そろばん教室でした。

当時の僕は、地元の小学校では友達とワイワイ騒ぐのが大好きな、どこにでもいる活発な子供。しかし、母の意向で通い始めたそろばん教室は、全くの別世界でした。

そこは、友人が一人もいない、遠く離れた場所。
先生は、少しでも私語を交わそうものならブチギレてくるような、非常に厳しい人でした。

友達もいない。おしゃべりも許されない。
僕の周りから、面白いものは全て奪われました。残されたのは、ただ目の前の「そろばん」だけ。

最初は孤独で、退屈だったかもしれません。
しかし、僕の好奇心旺盛な脳が「ああ、ここにはもう面白いものはないんだな」と諦めた瞬間、奇跡が起きました。

僕の有り余るエネルギーが、唯一残された対象である「そろばん」に、滝のように流れ込み始めたのです。そろばんをうまくなるために必要なこと。それは集中力。先生はただただ生徒のそれを引き出したかったんだと思います。今思えば、そろばん教室では毎回「過集中」が起きていたんだと思います。驚異的なスピードで上達していました。そして、いつしか大会にまで抜擢され、三重県で同学年の中でチャンピオンになっていました。

あの体験は、僕の人生に強烈な教訓を刻み込みました。
僕の集中力は、「意志の力」ではなく、「環境」が支配しているのだ、と。

僕らは、環境という名の「水」に浮かぶ「氷」のようなものなのかもしれません。水の流れが速ければ、僕らも速く進む。水の流れが淀めば、僕らもその場に留まる。

だから、もしあなたが自分の「過集中」という才能を解放したいと願うなら、まずやるべきことは一つです。

「環境」をデザインしてください。

スマホを別の部屋に置き、ノイズキャンセリングヘッドホンで外界を遮断する。
仕事仲間が見ている前で「今日中にこれを終わらせます」と宣言する。
図書館やカフェなど、周りが集中している場所に身を置く。

どんな些細なことでも構いません。
あなたの脳から、「言い訳」や「逃げ場」を一つずつ奪っていく。
「それしかできない環境」を意図的に創り出すこと。

それが、僕らADHDが最強の武器「過集中」を発動させるための、最も確実で、再現性のある方法なのだと、僕は信じています。

 

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